(その72)

学会での研究発表

 最近の学会発表を見ていると、パワーポイントを駆使したり動画などを用いたりして分かりやすく説明され、また事前にリハーサルを入念に行っているのか発表時間を大幅に超過するようなことはなく、昔(30年くらい前)に比べると大きく改善されたと感じています。私が学生の頃や就職したての頃の学会発表は、スライド(自分達で作成)は分かりにくく、また、発表時間をきちんと守る発表者はあまりいませんでした。しかし、質疑応答については、時間も多くとっていましたし、内容も充実していたように思います。水産系の学会ではありませんが、その分野の大御所と言われる先生方が会場の前のほうに座っておられ、本質を突いた厳しい質問をされ、発表者、共同研究者とも回答に窮する場面もあり、それを聞いている私たちも非常に勉強になりました。また、例えば、「解析コードにこんな数値を入れてみたらこんな結果がでました、というだけの発表ではないか?この研究のオリジナリティーはどこにあるのか、既往研究を勉強したのか?」というような厳しい意見などもありました。このようなケースで発表者が学生の場合、指導教官が手を挙げて、「共同研究者の○○ですが、・・・・・」と助け船を出すことが多くありますが、指導教官も黙ったままということもたまにはありました。また、発表者はそっちのけで、発表者の指導教官同士が議論を始めることもありました。最近の研究発表はスマートですが、こぢんまりとまとまっており質疑応答にも迫力がなくなってきているように思います。理由はいろいろあると思いますが、くせのある研究者が少なくなり、年配の先生方も含めて皆丸くなってきているのではないかと思うことがあります。

業務執行理事木下泉

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