(その71)

ニューヨークとワシントンD.C.

 昨年の夏に休みを頂いてニューヨークとワシントンD.C.へ出かけた。
 最近脂身の少ない赤身のアメリカンビーフに目覚めた私としては半分、肉を食べに行ったようなもので、ステーキハウスへ毎晩通い、ワシントンD.C.ではステーキに加えカニなどの海産物を味わった。
 レストランでは飲食代に約20%のチップを加え支払う習わしで、例えば500ドルの飲食ではチップが100ドルと結構な金額になる。地元の人によると老舗ステーキハウスのウエイターの年収は2000万円以上になり、現金で得たチップ収入は税務署に捕捉されないよう銀行には預けずに現金のまま消費へ回るので、この循環がある部分景気を支えているそうだ。ちなみに、カード払いの場合はチップを店がプールし、貢献度によって分配されるとのこと。また、ニューヨークのマンハッタンは南のウォール街で働く人の年収が数億円というのは珍しくなく、最近低所得者層の人々がマンハッタンから郊外へ移り住んだ結果、マンハッタンの平均年収は2000万円を超えたとのことで、まさに経済の中心といったところ。
 ワシントンD.C.は政治の中心で、国会議事堂やホワイトハウスを見て回った。
 ワシントンD.C.はヴァージニア州とメリーランド州がその一部を提供した土地に約10年かけて首都として建設された都市。なぜ首都となったかは、独立戦争でニューヨークなどの北部各州が抱えた負債を政府が一括して肩代わりをする法案を通過させようとした際、それほどの負債がなかったヴァージニア州を筆頭とする南部の州が北部の州の負債の肩代わりを強制的にさせられることについて異を唱えたため、当時のハミルトン財務長官がその見返りにヴァージニア州に首都を置くことでトーマスジェファーソンと取引を行ない法案を通過させたという経緯があり、この時すでにニューヨークは経済の中心、ワシントンD.C.は政治の中心という構想があったそうで、その2つの都市の違いがよくわかった旅でもあった。

事務局局長代理山内達雄

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